スマブラ4のプレイヤー間で「三すくみ」はどのくらいの割合で成立するか
これは スマブラ Advent Calendar 2016 (その1)の1日目の記事です。その2はこちら。
はじめに
私は、スマブラ4とスマブラDXのオフライン大会の戦績を集めたサイト、スマッシュレコードを運営しています。このサイトには、現時点で100以上のトーナメント、1万試合以上の試合結果が集められています。 今日は、スマッシュレコード内にあるデータを使って、スマブラ4においてどの程度の割合で三すくみが成立するかを検証してみました。
三すくみとは何か
三すくみとはいわゆるじゃんけんのグーチョキパーのような関係のことを指します。つまり、AがBに勝ち、BがCに勝ち、CがAに勝つ関係のことです。
一般的な1対1の勝負事では、A < Bかつ B < Cのとき、"大抵の場合は"A < Cが成り立ちそうな気がしますね。たとえば、1回戦でAに勝ったBが、2回戦でCに負けたとします。このとき、AとCは直接対戦していませんが、実際に対戦したとすれば大抵はCが勝ちそうです。
しかし、当たり前ですが、"必ず"Cが勝つわけではありません。じゃあ実際のところどのくらいの割合でAが勝つの?というのを知ろうというのが今回の目的です。
いくつかの前提条件
今回は、以下の条件でデータの集計を行いました。
- 2016年5月20日以降に行われた試合(現時点でスマブラ4の最後のアップデートがあった日です)
- プレイヤーの勝敗は、勝敗数は考えず、最後の結果のみで考える
- AとBが10勝1敗だったとしても、Bが最後に勝っていたら「BはAに勝った」とします
なお、スマッシュレコード内にあるデータはプレイヤー名の表記ゆれなどの問題で、必ずしも正しいとは限りません。ただ、大部分は正しいのでこの検証では大した誤差は出ないと思います。
結果発表
さて、三すくみの割合はというと…
プレイヤー数が1218人
そのうち、お互いに対戦経験のあった3人組の組合せは数は2870
そして、そのうち三すくみの関係にあったのは452
っというわけで結果は…
452 / 2870で、15%でした!
予想と比べていかがだったでしょうか。個人的にはもっと少ないと予想していたので、思ったよりだいぶ多いなという印象です。
ちなみに、今回は期間を2016年5月20日以降とし、勝敗数は考えずに最後の結果のみで考えましたが、これらを変えてみてもだいたい結果は変わらず15%前後でした。おもしろいですね。
追加検証その1 - 上位のみに絞ったら
ところで、この検証ではプレイヤー数が1218人でした。これを、スマブラ4日本プレイヤーランキングの上位50人や100人のみに絞るとどうなるでしょうか。一般に、実力が近い3人組ほど三すくみが発生しやすいだろうと思われるので、ランキング上位者のみで絞れば三すくみの割合も高くなることが予想されます。
そして、結果はまさに予想通りで、上位100人では約20%(238/1182)、上位50人では約21%(117/550)、上位25人では約24%(50/208)の割合で三すくみが成立していました。結果が出た時、予想通りすぎて思わず笑みがこぼれましたね。
追加検証その2 - スマブラDXではどうか
同様の検証をスマブラDXでもやってみたところ、三すくみの割合はおよそ10%となりました(期間を変えてもほぼおなじ)。これは言い換えると「AがBに勝ち、BがCに勝つとき、AがCに勝つ割合は90%」であることを意味します。スマ4よりも一人勝ちの割合が大きいことが何を意味するのかと言うと、スマ4よりもスマDXの方が「番狂わせが起こりにくい」ゲームということ…でしょうか。
どうしてスマDXのほうが番狂わせが起こりにくいのでしょうか。いくつかそれっぽい理由が考えられます。
スマブラ4がまだ発売して間もない(と言っても2年経っていますが)ためまだまだ過渡期であるのに比べて、スマブラDXは発売してから15年も経過している成熟したゲームだからかもしれません。はたまた、ストック数の違い(スマ4は2ストック、スマDXは4ストック)かもしれませんし、キャラ数の違いや、キャラ相性の性質が異なるからかもしれません。みなさんはどう思われるでしょうか。答えは誰にもわかりませんが、あれこれ考えるのは楽しいですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。これからもスマッシュレコードのデータを使ってあれこれ分析してみようかなぁと思っています。
この他にもこんな数が知りたいというのがあればぜひともご提案くださいな。
また、他の競技(スポーツでもゲームでも)での三すくみの割合があると私の好奇心が満たされるので、持ってる方or調べた方が居たらぜひお知らせください!